びっくり(後)
2013.10.11 Posted by きすぐれ雄基
『そういえばさ、鉄板そのまま食べたと?』
友人が何気なく発した言葉で私は凍り付く。
『えっ?そのままも糞もなんか食べ方があるわけ?』
当然の事ながらこう切り返すと、友人が食べ方について語り始めた…
『実はテーブルに積み木みたいな小さい棒が置いてあってさ、その棒の上に鉄板の片方を置いて傾けて脂を落とすんよ。で、たまった脂の中に辛味噌を溶かしてそれに付けながら食べるんよ!』
なんという不覚。
豚肉とキャベツを大量のニンニクと『我々を虜にする不思議な調味料』で炒めただけというシンプルな状態でも十二分に美味かったので、そのまま食べるのが普通と思っていた俺の浅はかさ…本気で損をしてしまった。
『なにがなんでもリベンジせねば!』
そう思った私は翌日当たり前のように再訪。
友人から教わった正式な食べ方で無事リベンジを果たした。
それからというものの昼飯をびっくり亭で食べるメンツが徐々に人数が増えていき、最終的には十人単位の大所帯に、行く頻度も週一から週二、最終的には週三〜週四と増えていった。要するにびっくり亭の鉄板焼肉が私の血となり骨となったのである。
あれからかれこれ二十年…福岡へ行く際は必ずびっくり亭に出向き、黒霧ロックと二人前をたえらげては高校時代の思い出にふけるのがデフォとなっている。
これだけは声を大にして言わせて欲しい『福岡へ行く際は、必ずびっくりしに行くように』
びっくり亭 高宮店
住所:福岡県福岡市南区玉川町10-3